既存環境をExpand Clusterするには(その2)
※本記事は[1枚目]Nutanix Advent Calendar 2019の17日目として書きました。
adventar.org
先週に引き続き、今回は「その2」と題してExpand ClusterのTips関連情報を紹介します。
前回の記事はこちら
x-journey.hatenablog.com
Tips集
- ノード追加後、CVMによる時刻非同期のアラートが出る
"Incorrect CVM NTP Configuration"
ノード追加直後、一時的に出ることがありますが、基本的にCVM間で時刻同期しているため、1度出たとしても確認すると案外時刻同期できていたりします。
-CVMの時刻同期確認
CVM$ allssh ntpq -p
NTPの指定は5つ以上設定することが推奨されています。(ただし、Windows NTPは非推奨)
https://portal.nutanix.com/#/page/docs/details?targetId=Web-Console-Guide-Prism-v511:wc-ntp-server-time-sync-recommendations-c.html
- 追加したノードのホスト名が既存の命名規則と異なる
(その1)でお伝えしたとおり、Expand Clusterの操作画面ではホスト名を指定する項目がいつの間にか無くなったため、今回のように既存と異なる値が入ったことが考えられます。(DNSから逆引きで名前を引いてくるかどうかは未確認)
ハイパーバイザー AHV/ESXi共にホスト名の変更方法が以下のとおり案内されています。
1.AHV内のファイル編集
AHV# vi /etc/sysconfig/network
2.ホスト名の変更
HOSTNAME=
3.サービス再起動
CVM$ genesis stop acropolis; cluster start
2021/5/24 追記
いつからかAHVホスト名の変更をコマンドでサポートしていました。コマンドはCVMにSSHログインして実行します。
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=AHV-Admin-Guide-v5_20:ahv-acr-host-name-change-t.html
cvm$ change_ahv_hostname --host_ip=host-IP-address --host_name=new-host-name
host-IP-addressの部分を対象となるAHVホストのIPアドレスにします。
host_nameの部分を変更後のホスト名にします。
※既にvCenter Serverインベントリ登録済みの場合、先にメンテナンスモードおよびvCenterからの登録解除を行う
1.ESXi Client ログイン
2.ネットワーク>TCP/IP スタック>デフォルトのTCP/IP スタック編集
3.ホスト名の変更
KBを見る限り、CVMの仮想マシン名は"NTNX-"で始まり、"-CVM"で終われば問題無いようです。
この規則から外れた仮想マシン名が付与された場合はメーカーサポートに問い合わせた方が良いようです。
https://portal.nutanix.com/kbs/5226
他の方の個人ブログではCVMの仮想マシン名の変更方法が紹介されていたりしますが、商用Nutanixでサポートされているか不明だったため、本投稿では変更方法について言及していません。
- ストレージコンテナの容量
ストレージコンテナにADVERTISED CAPASITY(上限値)を設定している場合、必要に応じて拡張します。
- ESXi環境の場合に追加でやること
従来のハイパーバイザーにHCI機能をアドオンしたESXi環境では、ノード追加が完了した後に既存環境に併せて追加設定を行います。
# | やること | 補足 |
---|---|---|
1 | vSphereクラスターへの追加 | 既存クラスターでEVC設定が有効になっていることを確認 |
2 | ESXiホストへのNTPおよびDNSの設定 | ESXiホストのPrimary DNSに192.168.5.3が設定されているが、Foundationの仕様によるものであり、変更しても問題無い |
3 | 仮想ネットワーク周りの設定 | 既存環境に併せてVMkernel/仮想マシンポートグループを定義する |
※まだ書ききれていないことが多くあるはずです。気づき次第、加筆していきますのでご了承ください
- 既存ハイパーバイザー/AOSとの差分によるExpand Clusterでの挙動の違い
これから新たに追加するノードが既存環境と同じハイパーバイザー/CVMの場合、イメージング処理をスキップします。
#基本的には手順を簡略化するための仕様ですが、NX-1065/NX-3060/NX-8035といった高集約モデルでは注意が必要(事前にバージョンを確認し、同じ場合はノード単体によるFoundationを実施する)
まとめ
Expand Clusterについて2回に分けてお伝えしました。
その1ではシンプルなGUIによりHCI環境がどれだけ簡単に拡張ができて、多くのことを気にしなくて良くなるのかというメリットを、その2では事前に知っておくと嬉しい(かもしれない)プチ情報を紹介しました。お役に立てれば幸いです。
以上です。
それでは皆さん、快適なNutanix Journeyを!