AOS 6.0.1でサポートされた RF1 (データの非冗長化)とは?
AOS 6.0.1でサポートされたRF1について調べたので忘れないうちに記録します。
RF1ってなに?
Replication Factor 1の略です。従来、NutanixではRF2/RF3によるデータを2重/3重による冗長化を行うことが一般的にでしたが、RF1ではデータを1つのみ。
つまり冗長化を行いませんので、Nutanixプラットフォーム側ではハード障害による可用性を担保しない。ということになります。
その代わりといっては何ですが、RF1の仮想マシンはデータを冗長化しないため、ゲストOS側で100GB使用して際は、ストレージコンテナ側の消費も100GBで済みます。
AOS 6.0.1時点では、Nutanix AHVおよびVMware ESXi環境でRF1を使用できます。
RF1のアーキテクチャ
従来のRF2/RF3と大きく異なる点として、データのブロック(エクステント)は、クラスター内の各ノードに分散されるわけではなく、特定のノード固定となります。
利用シーンは?
Nutanix側でデータ冗長化を行う必要がない、アプリケーションに有効です。
例えば、Hadoopのようなデータの冗長化をアプリケーションレイヤーで既に行っているような場合は、アプリ側でx2倍したものがHCI側でさらにx2倍で計4倍となっていたものをRF1を使用することにより、容量の削減やパフォーマンスの改善なども見込めると思います。
ただ、3ノード構成のPrism CentralについてはRF1でのデプロイは非サポートみたいです。
あとは、検証用途のVMをたくさん建てたりなんかもできなくはないのですが、次に紹介する制限事項なんかを見ると、LCM等のアップグレード運用にも影響を及ぼすのでよほどストレージ容量が枯渇しているわけでもない限りは現状のRF2のままで良いかなと個人的には感じました。
制限事項(ドキュメントの抜粋)
・RF1はノードベースのコンテナのため、ノード内のストレージデバイスを束ねて1つのRF1コンテナーを作成されるため、RF1のサイズは、1サーバーのストレージ容量によって決まります。
・重複排除とイレージャーコーディングは、RF1コンテナではサポートされていません。
・作成したRF1のコンテナを後からRF2に変更することはできません。
・RF1コンテナは、AHVクラスターへのイメージの保存をサポートしていません。イメージサービスの登録先にRF1のコンテナは表示もされません。aCLIでも登録不可です。
・RF1コンテナでは、容量予約の設定は許可されていません。クラスター単位で設定するReserve Rebuild Capacityは使用できません。
・RF1コンテナでディスク障害が発生した場合、冗長化していませんので、その中のすべてのvDiskとRF1コンテナどちらも削除する必要があります。
・RF1 vdiskを持つVMは、関連するノード/ CVMがメンテナンスまたはアップグレードに入るときにシャットダウンする必要があります。
・RF1 vDiskを備つVMは、A Sync DRおよびMetro Availability環境ではサポートされていません。
参考ドキュメント
RF1 Guidelines and Limitations
https://portal.nutanix.com/kb/11291
以上です。
実際にRF1の有効化についても時間があれば紹介します。