えっくすじゃ〜に〜「Nutanixはじめました」

こちらは、商用版Nutanixについて調べたことや感じたことをメモったり長々とつぶやいたブログです。あくまでも個人の見解であり、正確性を保証するものではございません。参考程度にご覧ください。

既存環境をExpand Clusterするには(その1)

※本記事は[1枚目]Nutanix Advent Calendar 2019の10日目として書きました。
adventar.org

Nutanixの特徴と言えば、Prismによる1-Click操作です。
ノード追加が簡単に行えることはご存知と思いますが、本番環境を更新するともなれば、それなりに準備も必要になると思います。
今回は作業前、作業時に気をつけたいポイントについてまとめてみました。


見ておくべきマニュアル
AOS 5.11版 Expand Cluster
https://portal.nutanix.com/#/page/docs/details?targetId=Web-Console-Guide-Prism-v511:wc-cluster-expand-wc-t.html

AOSバージョンについて

既存ノードAOSおよび追加ノードAOSのコンパチ確認

これはサイジング時点での考慮事項になりますが、追加ノードのサイジングを行う場合、既存のモデルと同じモデルが販売を終息しているケースもあります。
この場合、既存とは異なるモデルを選定するわけですが、ここでAOSのバージョンに注意します。

既存のAOSバージョンが、追加ノードのモデルでサポートされているとは限らないため、場合によっては既存AOSを事前にアップグレードする必要があります。

コンパチは以下で確認します。
https://portal.nutanix.com/#/page/compatibilitymatrix

既存ノードAOSバージョンの確認

大丈夫だとは思いますが、既存のAOSはサポータブルなバージョンですよね?
有事の際、メーカーサポート支援がスムーズに受けられるよう、サポータブルなバージョンにしておきます。

AOSのEOL情報は以下URLからNutanix EOL Bulletin AOS Versionsを確認します。
https://portal.nutanix.com/#/page/static/endOfLife

既存クラスターの準備

NCCアップグレード + NCC実施

ノード追加時やAOSアップグレードの際、クラスターの健全性チェックにより、予想外のエラーで中断されることがあります。
事前にNCCを実施することで可能な限り、FAILやWARNINGを取り除いた方が良いです。

追加ノードの準備

CVM、ハイパーバイザーの管理ネットワークのVLAN IDを合わせる

既存クラスターから追加ノードを検出するには、既存および追加ノードのCVMが同一ネットワーク/VLAN内で起動している必要があります。

変更方法は送られてきた追加ノードにインストールされたハイパーバイザーによって異なります。
AHVホストのVLAN変更手順はこちら(AOS 5.11版)
https://portal.nutanix.com/#/page/docs/details?targetId=AHV-Admin-Guide-v511:ahv-vlan-setup-ahv-t.html

CVMのVLAN変更手順はこちら(AOS 5.11版)
https://portal.nutanix.com/#/page/docs/details?targetId=AHV-Admin-Guide-v511:ahv-cvm-assign-to-vlan-t.html

事前にFoudationやっておくと楽かも

任意ですが、追加ノードに対して、事前にFoundationによるイメージングとIPアドレスの付与を先にしておくと、当日のノード追加作業時間の短縮ができると思います。

Expand Cluster

ここからは実際にExpand Clusterでノードを追加してみたいと思います。

検証環境の説明

(モデルが古いのはご容赦ください。)

既存クラスター環境
モデル:NX-1365-G4
AOS:5.11.1.2
ハイパーバイザー:AHV 20170830.319

追加ノード環境
モデル:NX-1165-G4
AOS:5.10.4.1
ハイパーバイザー:ESXi 6.7

ノード追加

ここからはノード追加の手順です。
細かな手順はメーカードキュメントがありますので、ここでもポイントをお伝えします。
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IPアドレスの入力

CVM、ハイパーバイザー、IPMIのIPアドレスを入力します。
既存環境のIPアドレスと連番を付与する必要はありませんが、ネットワーク要件をこれまでと同様に守る必要はあります。
具体的には以下です。
・CVMおよびハイパーバイザーの管理IPアドレスは同一セグメント
・IPMIは前者のネットワークと疎通できること

(ホスト名の入力)

以前はホスト名の入力があったと記憶していますが、今は無くなってしまったようです。
ホスト名の編集については次回説明します。

ハイパーバイザーのインストール

今回のように、既存と追加ノードでハイパーバイザーが異なる場合、ノード追加操作でハイパーバイザーのインストールも同時に行ってくれます。
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既存のCVMには、自身のAOSバージョンのバイナリファイルを持ち合わせていますので、それを使って追加ノードにAOSおよびハイパーバイザーをインストールできます。
しかし、今回のケースではそれではハイパーバイザーのバージョンが一致しないようです。
それは、既存環境のハイパーバイザーをアップグレードしているからです。

個人的には、ノード追加操作だけでハイパーバイザーアップグレードも一緒くたにやりたいので、ハイパーバイザーのバイナリーをSupport Portalの[Hypervisor Details]から取得しましょう。
https://portal.nutanix.com/#/page/static/hypervisorDetails
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確認

ノード追加が完了しましたら、ホーム画面に戻り状態を確認します。

Hardware Summary

ノード数が増えていること

Health

Criticalがないこと

Data Resiliency Status

「OK」であること

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EVCクラスターへの追加

ESXiの場合、Nutanix クラスター(ストレージ)とvSphere クラスター(ハイパーバイザー)の管理が分離しているため、たとえノードを追加してもvSphere クラスターにESXiホストが追加されることはありません。
従来のvSphere Clientの操作にて、ESXiホストの追加を実施します。
注意としては、CPU世代の異なるノードを追加する場合、予め既存クラスターのEVCが有効になっているか確認することです。これをしないと新しいCPU世代のESXiホストから古いCPU世代のESXiホストへvMotionできず、運用に支障が生じてしまいます。

LCMによるFirmwareアップグレード(任意)

NutanixではLife Cycle Management機能でFirmwareの一元的な管理とアップグレードが行えます。
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Nutanixの場合、同一筐体内であってもノード間でのFirmwareバージョン不一致はサポートされる認識ですので、任意の作業ではありますが、何か起きた時の切り分けのために、できる限り同じバージョンにしておいた方が良いかなと思います。

つづく

本当は1記事で完結させようと思っていましたが、案の定書ききれませんでした…
来週はTips集をお送りしたいと思います。