Veeamユーザーに贈るESXiからAHVへのお引越し
師走ですね。
久しぶりの投稿がアドベントカレンダー2023での担当日と重なりました。
私ごとですが先日、大変ありがたいことにNutanix Technology Champion 2024のアワードをNutanixさんから頂戴しました。
今年はコロナやら家庭やらも落ち着いてきたのでとりあえず出られるNutanix MeetUpにはすべて登壇させていただき、.NEXT JapanではNTC同士で対談させてもらったりと濃厚な一年を過ごさせていただきました。
来年もガンバリマスのでよろしくお願いします。
以上。
ここで終わると怒られそうなのでもう少し続けます。
いや、ここからが本題・・
最近、仮想化界隈が騒がしいですね。(またネタフリ)
個人的にはChatGPTによるITの大変革よりも影響ありすぎてもうひっくり返ってます。
で、最近またVMware ESXiからNutanix AHVへの移行ってどうやるの?という質問をいただく機会が増えてきました。
これまでもこれからもNutanix Moveをまずは紹介することは間違いないのですが、これはあくまでもNutanixを主として、ユーザーがどんなバックアップ製品を使っているかは考慮することなく、手っ取り早く簡単な移行方法となります。
「ESXiからAHVへの移行」に限った話をすれば、既存のバックアップ製品を使って移行もできるのではないか?むしろ、その方がMoveの知識やお作法の習得に時間をかけずに移行の検討に取り掛かることができるメリットもあるかも?なんてこともあると思います。
今回は、数多のバックアップ製品の中で、ESXiのバックアップとして多くのユーザー環境で採用されているVeeamを使用してESXiからAHVへの移行をやってみたいと思います。
環境情報
VMware vSphereバージョン…7.0 Update 3
Nutanix AOSバージョン…AOS 6.5.4
Veeamバージョン…12.1
事前準備
1.VBRサーバーにAHVプラグインをインストールします。
素のVBRにはAHVへのリストア機能が搭載されていないため、別途プラグインのインストールが必要です。
Installing Nutanix AHV Plug-In
https://helpcenter.veeam.com/docs/vbahv/userguide/install_ahv_services.html?ver=50
移行が完了した後、AHV上の仮想マシンもバックアップする場合、AHV上にProxyおよびWorkerの役割を担う仮想アプライアンスが必要になるので予め行っておくと良いです。
Configuring Backup Infrastructure
https://helpcenter.veeam.com/docs/vbahv/userguide/configuration.html?ver=50
2.Windows OSなど、VirtIOがインストールされていない場合、事前にインストールしておきます。
KVM向けのVirtIOは使わず、Nutanix社から提供されるVirtIOを使います。
これをやっておかないと、せっかくリストアできても仮想ディスクを認識することができず、以下のとおりパワーオンしてもOSが起動しない状況に陥ります。
VirtIOインストールメディアダウンロード場所
https://portal.nutanix.com/page/downloads?product=ahv
3.vSphere Clientにログインし、バックアップ(移行)対象の仮想マシンを停止します。
4.Veeamのバックアップジョブを実行し、最新のバックアップデータを取得します。
オフライン環境でのリストア
ESXiとAHV環境間でネットワーク疎通性が無いケースです。
この場合、Nutanix Moveでも移行できないため、別の方法を考える必要があります。
ここでよく使われるのは仮想ディスクファイルを取り出してNutanix AHV側のイメージサービスに取り込む方法です。
仮想ディスクファイルを取り出す操作自体は、ESXi側で行うことが可能ですが、ここをあえてVeeamで行うと、大容量ファイルの取り出しにかかる時間が短縮できる気がします。
取り出した仮想ディスクファイル(***-flat.vmdk)をNutanix AHVのイメージサービスに登録することで、AHV用の仮想ディスクファイル形式に変換してくれます。
その後、該当の仮想ディスクをVMにアタッチすることで移行の完了です。(文字だけだと簡単そうだけど、結構手間で数十~数百のVMで同じことするのは大変…)
バックアップからのリストア
Veeamによる仮想マシンのバックアップデータをもとにリストアするという、オーソドックスな方法です。
事前準備に記載したVirtIOドライバーがインストールされていれば、ESXiからAHVという異なるハイパーバイザー間のデータ形式の変換はVeeamがよしなにやってくれます。
1.Veeamでバックアップした仮想マシンを右クリックし、[Restore entire VM to Nutanix AHV]をクリックします。
2.リストアしたい仮想マシンであることを確認し、[Next]をクリックします。
3.[Next]をクリックします。
4.リストア先のNutanixクラスタを選択し、[Next]をクリックします。
5.リストア先のストレージコンテナを選択し、[Next]をクリックします。
6.リストア先での仮想マシン名を設定し、[Next]をクリックします。
7.リストア先でのネットワークマッピングを設定し、[Next]をクリックします。
8.思い残すことがあればメッセージを入力し、[Next]をクリックします。
9.[Finish]をクリックし、リストアを開始します。
10.Prismにログインし、仮想マシンがリストアされていることを確認します。
無事にリストア(移行)されていることを確認しました。
まとめ
Veeamを使ってESXiからAHVへの仮想マシン移行をやってみました。
従来のバックアップ/リストアと同様の操作で簡単にAHVに移行することができました。
今回、移行で試した仮想マシンはあまりデータを格納していない軽量な仮想マシンでしたのでリストアには1分ほどしかかかりませんでした。これが大容量の仮想マシンとなるともう少しリストアに時間がかかるかもしれません。重要なシステムだからダウンタイムを最小限にしたい場合、インスタントリカバリー機能でバックアップデータから直接仮想マシンを起動するちょっと強引な方法も問題なく動きました。
ただし、インスタントリカバリー状態から本番開始操作(バックアップデータをストレージコンテナに格納して本来のデータ格納場所での運用に戻す行為)によるデータの移行にはそれなりに時間がかかるため、注意が必要です。
事前の移行テスト目的としても本番環境に影響を与えずに行うことが可能ですのでぜひお試しください。
以上です。