Prism Central配下には1つ以上のNutanixクラスターが必要
最近、Prism Central関連の検証に注目しています。
これまでは従来の仮想化基盤の管理をPrism Elemet側で行い、Prsim Centralは監視やセキュリティ機能を提供するオプション的な位置づけでしたが、最近は仮想化基盤の管理もPrism Centralがないと設定できない機能なんかも出てきました(例:メモリオーバーコミットなど)。
今回は、検証用に新規構築したPrism CentralのLCM(LifeCycle Management)操作について、1つ以上のクラスターが無いとエラーになる。というおはなしです。
Prism Centralの構築手順については割愛しますが、今回はバージョンpc.2022.6.0.7をESXi上に手動でデプロイしてみました。
新規構築した直後ですので、Nutanixクラスターは1つもPrism Centralの管理下にはありません。
LCMを使ったPrism Centralコンポーネントのアップグレードを検証するため、まずはInventoryタブから[Perform Inventory]をクリックします。
すぐに以下のようなエラーメッセージが表示されました。
Request to run LCM inventory failed with root task UUID ***** and error message (Inventory setup failed. Reason: [Failed to download manifest due to LcmDownloadError(u'No registered clusters found which support multiple file catalog items',)])
このメッセージをサポートポータルで検索することで原因と対策がすぐにわかります。
原因は、冒頭にも述べたとおり、Nutanixクラスターが1つも管理下に存在しないこと。だそうです。詳しくは以下のKBをご覧ください。
LCM inventory on PC fails with reason: "[Failed to download manifest due to LcmDownloadError(u'No registered clusters found which support multiple file catalog items',)]"
https://portal.nutanix.com/kb/11999
本件の対策として、まだPrism Centralに管理されていないNutanixクラスターが必要となりますが、そう簡単にNutanix環境を準備できる方は多くないと思います。
そんな時にNutanix CE(Community Edition)がおすすめです。
Nutanix CEは、コミュニティ向けに提供するNutanixソフトウェアです。メーカーサポートは得られませんが多くのファンによるナレッジ情報がブログなどで公開されています。
私も商用環境のNutanix AHV上にNutainx CEを構築した際の記事を投稿しています。ご参考まで。
そうして、Prism Central管理下に加えるためのNutanixクラスターとなる、Nutanix CEを用意してみました。
CE側のPrism Elementを操作し、Prism Central管理下に登録します。
Prism Centralのダッシュボードにも登録したNutanix CE(クラスター名:NXCE-02)が表示されました。
LCM画面に戻り、再度[Perform Inventory]をクリックします。
先ほどの即エラーと異なり、インベントリ取得処理が始まり、十数分ほどで無事に終了しました。
↓
先ほどのインベントリタブの画面にPrism Centralのコンポーネント情報とバージョンが表示されました。
また、右上のLCMのバージョンもまたインベントリ取得操作によってバージョンが上がっていることがわかります。
Updatesタブをクリックします。
インベントリ取得によってアップデート可能なコンポーネント一覧が表示されました。
今現在はNCCのアップデートだけが可能なことがわかります。
今回の記事は以上です。
Prism Centralの様々な機能を試すうえでNutanixクラスターは必ず必要になります。
Prism Centralを今すぐ検証したいという場合に商用環境を用意するのはなかなか難しいと思いますので、Nutanix CE(Community Edition)を有効活用いただけたら幸いです。