えっくすじゃ〜に〜「Nutanixはじめました」

こちらは、商用版Nutanixについて調べたことや感じたことをメモったり長々とつぶやいたブログです。あくまでも個人の見解であり、正確性を保証するものではございません。参考程度にご覧ください。

Nutanix Global .NEXT Digital Experience 2021 Day2 Opening Keynote 備忘録

.NEXT Conference 2021日本時間 9/23(木)AM1:00、Nutanix .NEXT 2021 Day2 Keynoteが行われました。

昨日、CEOが登壇したDay1では、経営層へのメッセージアウト的な内容が主でしたが、Day2では昨年と同様に製品アップデートが中心となります。

今回もリアルタイムで視聴できましたので、取得したキャプチャと共にメモを書き残していきます。

※私の解釈が誤っている可能性も十分ありますので、内容は参考程度としてください。

はじめに

Nutanixのプロダクトは、HCIを提供するAOSから始まり、ユーザーへのクラウドプラットフォームを提供するべくポートフォリオを拡充し続けてきました。
そんな中、キーノート冒頭では、「HCI」「Database」「Cloud」の3つを説明する。とのことでした。ドキドキ…

AOS 6

はい、2021年6月にリリースされたAOS 6.0が改めてこの場でアナウンスされました。
AOS 6.0では、
Nutanix環境でIaaS基盤を形成するのに必要となる、仮想ネットワークによるマルチテナント、ゼロトラストセキュリティに基づいたセキュリティ制御機能の拡充
更にエンタープライズ向けの高機能なDRを提供していく
模様です。
AOS 6.0 Release Notesについてはこちら。(My Nutanixアカウント要)

https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Release-Notes-Acr-v6_0:Release-Notes-Acr-v6_0

Short Term Supportバージョンであることから、短い期間でもAOSアップグレードが必要となるため、現時点では検証環境での利用に留まることになると思います。

AHV

 

NutanixネイティブハイパーバイザーであるAHVに絞ったお話です。
なんと、ここ5年でのAHV 採用率は53%に昇るとのことです。HCIを前提としたシンプルな管理を特徴とするAHVですが、ユーザーの声を反映し、最近ではPrismを操作したブリッジ(および仮想スイッチ)の作成や、ストレージコンテナ間の移行などにも対応等、少しずつ機能を拡充していくことでここまで採用が増えたものと感じています。
Multi-Tenant Private Clouds
オーバーレイによる仮想ネットワークを構築し、マルチテナント環境を構築します。こちらはAHVだけでなく、SDN製品であるFlowにおいてFlow Advanced Networking機能が必要になります。
Automatic DR Failover

Nutanixクラスター間でデータの同期を行うMetro Availability環境にて、クラスター希望の障害が起きた際にリモートサイト側で仮想マシンを起動するだけでなく、サイトが変わることで手作業が必要だったIPアドレス変更なども自動化してくれます。

こちらは、Metro AvailabilityおよびLeap機能が必要になります。

Greater VM Density
仮想環境の集約率を上げる機能として、メモリのオーバーコミットを行います。
これによりAHVホストに搭載した物理メモリ以上に仮想メモリを割り当てることが可能になります。
Red Hat Certification
Nutanixの長年に渡る片思い(?)がようやく実り、ようやくRed Hatからお墨付きをいただけました。
もともとNutanixとしてはAHV上にREHLが起動することを良しとしていましたが、これからは誰にも心配されることなくAHV上でREHLを立てられます。
 
Which hypervisors are certified to run Red Hat Enterprise Linux?

Flow

Flow Advanced Networkingによる、マルチテナントの説明となります。
Nutanix Clustersといったパブリッククラウドとオンプレ環境を横断したネットワーク環境構築が想定されており、オンプレとクラウドを意識せずにアプリケーションのシームレスな移行や柔軟なリソース拡張といったことが望めます。

Disater Recovery

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DR自動化を行うLeapの機能拡充と思われますので、
Prism Centralにおける、DR設定内容の可視性と操作性を向上し、
CVM間のデータ転送を暗号化する機能をビルトインで提供するそうです。
トラフィックの暗号化はAsync DRでも有効なのかな?

Zero Trust SecurityもOne-Platformで

ユーザーをランサムウェアの脅威から防御し、安心・安全な環境を提供し続けるためには3rd Party製品を増やすのではなく、1つのプラットフォームで提供できた方が管理がシンプルで効率的です。
Nutanixでは、HCIストレージだけでなく、インフラセキュリティについても"One-Platform"での提供を目指すようです。
Mitigate Vulnerablity Exploits

予防策の前提として、既知の脆弱性を悪用した攻撃を防ぐためにシステムを常に安全に保つ必要があります。NutanixではSecurity Centralというポータルを用いてインフラセキュリティの集中管理を行い、問題のあるシステムへのパッチ適用を促します。

Prevent Lateral Movement

同一ネットワーク内のインスタンスへの侵入および攻撃(ラテラルムーブメント)をFlowを使ったポリシー制御によって想定しないインスタンス間のパケットを遮断します。

Protect "Crown Jewels"

ファイルサーバー機能を提供するFilesにはユーザーの大事なデータを守るためにランサムウェアの検出とブロックを行うためのシグネチャを提供します。

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この後、一連のデモがあったのですが、ランサムウェアをブロックした結果をUIから見た際に、画面上部に「Data Lens」と表示されています。この機能はこれまで「File Analytics」として提供されてきましたが、これからこの機能がData Lensとして提供されるのかが気になります。

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Business-Critical Appsへのアプローチ

ハイパフォーマンスを求めるアプリケーションが苦手と思われがちなHCIですが、Nutanixではパフォーマンス向上にも余念がありません。
I/O Performance

現在開発中のData Shardingアーキテクチャにより、スケールアップDBへに対して従来の2倍のパフォーマンスを提供するそうです。

Next Gen Media

次世代のストレージデバイスであるOptaneを使い、OptaneとNVMeによる階層化を行うこともできるようです。

Next Gen Platform

次世代CPUである、Intel Ice LakeやAMD Milanに対応したアプライアンスモデルが拡充されていきます。

Objects

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Nutanix HCIのリソースを使い、外部に対してS3互換のオブジェクトストレージを提供するObjectsですが、S3 Selectに対応することでオブジェクトからデータの取り出しが容易にできたり、Hadoop S3Aに対応することで高速化が見込めるようです。

Optimized Copyとあるのは、Hadoop自体がHCIと同じ分散アーキテクチャとなるため、HCI基盤上にHadoopを構築すると容量が実データの倍々で必要になるところがうまいこと削減されるってことでしょうかね?

 -->追記。AOS 6.0.1で対応したReplication Factor 1(RF1:データの単一化)をHadoopアプライアンスが格納されているストレージコンテナに適応することにより、アプリケーション側で既にデータの多重化ができているシステムをNutanix HCI側で更に倍にするといったことが無くなるようです。

Files and Objectsのクラウドティアリング

ファイルサーバーとオブジェクトストレージに格納されてアクセス頻度の低いデータをAmazon S3やAzure Blobといったパブリッククラウドに退避しておくことで永遠に増え続けるデータに対していつでも比較的安価なリソースが提供可能です。

コールドデータとホットデータは管理者によるポリシー設定で管理できる模様です。

Files Replication and Data Protection

Smart DR
クラスター間における、ファイルサーバーの保護を行う際に、シェア単位で保護を可能にし、1分間のRPOやニアゼロRTOを可能にします。
Self Service Restore(for Smart DR)

Smart DR保護下において、ファイルサーバーを利用しているユーザー自身がNutanix管理者の手を借りること無く、リモートサイト側からファイルを取り戻します。

Nutanix Data Lens

昨日のDay 1キーノートでも軽く言われていましたが、今年の.NEXTで発表された新製品と言えばこのData Lensになります。
発表されたばかりでよくわかっていませんが、データガバナンスを管理する新たなサービスと説明がありましたが、この内容を見るとやはりFile Analyticsを思い浮かべます。
Data Lensの全容が明らかになるのを待ちたいと思います。

Era

HCIに続いて、お話はDatabaseへと移ります。

DBの作成から保護、アップデートといったライフサイクル管理を提供するEraですが、今回の発表では、オンプレとNutanix Clustersを組み合わせたハイブリッドクラウド環境におけるDBの拡張性とガバナンス管理機能が発表されました。
Simplified DB Migration

スケールアップDBに対してパフォーマンス向上が見込めるという点では先ほどのData Shardingと関連があるかもしれません。これによりクラウド間の移行も高速化が見込めるということでしょうか。

One-click Storate Scaling for Databases

ワンクリックかつゼロダウンタイムによるストレージ容量の拡張を行います。これによりユーザーはDBエリアの拡張も無停止で行えます。

Enhanced Security and Enterprise Resilience

RBACによるセキュリティ機能の提供と、サイト障害時にもクラウド側で再起動させる高可用性機能が実装されるそうです。

Clusters on AWS

最後は、クラウドパートとなります。

Elastic DR

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DR専用環境としてClusters on AWSを用意する場合、これまでは既存のリソースと同等をAWS側に用意しておく必要がありましたが、Elastic DRの提供により、正常時は最小構成となる3ノードだけ用意しておき、いざオンプレで障害が起きた際にAWSのベアメタルホストをスケールアウトさせることで正常時に発生するコストを抑えることができます。

また、オンプレ復旧後にフェールバックした際にはAWSのベアメタルホストを3ノードにシュリンクすることも可能だそうです。

Clusters on Azure

昨年の.NEXTで発表されたClusters on Azureの続報となります。
現在、2箇所のリージョンを展開し、テックプレビューを開始しているとのことです。
リージョンは今後ニーズに応じて増えていくと思われます。
この日のデモでは、Nutanix Moveを使ってオンプレ環境からClusters on Azure環境への移行を見ることができました。

Container Platform by Nutanix

コンテナ化が注目される昨今ですが、構築に必要なリソースや、Kubernates管理プレーンの選択に頭を悩ますかもしれません。Nutanixはここでもユーザーが自由に選択ができるように自社製品をインテグレートしていきます。
Nutanix AHV上でのコンテナ管理と言えば、Nutanix Karbonが推されてきましたが、Red Hatとの提携もあり、ここにOpen Shiftが加わったことで2製品の今後の行く末が気になるところです。

Hybrid Multicloud Jorney

クラウド、コンテナとサービスは時代と共に進化と増加を繰り返しますが、ユーザーはその度に選択を迫られますが、Nutanixはどれを選択してもユーザーにとってシンプルでかつ統合されたプラットフォームを提供し続けることが目標だそうです。さすがです。

Cloud Management ... for the Multicloud World

ワークロードの展開やその後のライフサイクルを管理するCalmによって、オンプレだけでなくパブリッククラウドに展開された仮想マシンをAI-Opsによる分析や、ガバナンスおよびコスト管理といった機能をSaaSベースのSecurty Centralで管理します。

Wrap Up

今回も多くの"Journey"が聞ける楽しい会でした。
キーノートでのアップデート内容としては派手さや数というよりは、「HCI」「DB」  「Cloud」と言った具合にポイントが絞られており、製品ポートフォリオが広がりきったNutanixがこれから注力する製品はこれだ!と示してくれたように個人的には感じました。
Nutanixの今後の動向に注目していきたいと思います。
 
以上、Nutanix .NEXT 2021レポートでした。