えっくすじゃ〜に〜「Nutanixはじめました」

こちらは、商用版Nutanixについて調べたことや感じたことをメモったり長々とつぶやいたブログです。あくまでも個人の見解であり、正確性を保証するものではございません。参考程度にご覧ください。

AOS 5.11のCVMメモリサイズ要件とは?

現在のNutanix AOSの最新バージョンとして、AOS 5.11がリリースされています。

本記事ではAOS 5.11のドキュメント等をもとにCVMのメモリサイズ要件と私個人のおすすめについて考えてみました。

 

この内容はNutanix Support Portalの「ACROPOLIS ADVANCED ADMINISTRATION GUIDE」で確認できます。

https://portal.nutanix.com/#/page/docs/details?targetId=Advanced-Admin-AOS-v511:Advanced-Admin-AOS-v511

目次

 

 

CVMのデフォルトのメモリサイズとは?

まずは最小要件を確認しましょう。

そのためにはデフォルトのメモリそもそもデフォルトとは何を指すのでしょうか。

Nutanix-CEを除いた商用のNutanixでは、Foundationツールにてセットアップを行いますが、その際にメモリサイズを指定することが可能です。

この時、メモリサイズを未指定(未入力)でセットアップした際に構成要素を基にツール側でメモリサイズを決めます。

条件は大まかにNutanixのモデルとAOSのバージョンです。

 

NX-G4(CPU:Haswell世代)、NX-G5(CPU:Broadwell世代)まで

すでに終息しているモデルがほとんどですが、これまではNutanixのモデル毎にデフォルトのメモリサイズが決まっていました。

例えば、

NX-1000シリーズやNX-3000シリーズは20GB。

NX-6000シリーズのようなストレージ容量の多いモデルは28GB。

NX-8000シリーズのようなCPU、メモリを多く搭載できるハイパフォーマンスモデルは32GB。

といった具合です。

 

ちなみに、AOS 4.x台バージョンのCVMは最小16GBから設定可能でしたが、AOS 5.1あたりからは最小20GBとなりました。

 

NX-G6(CPU:Skylake世代)以降

2019年11月現在、モデル毎のメモリサイズ要件は無くなりました。これはNutanixがソフトウェアカンパニーであることを体現しており、今後も増えるであろうNutanix認定プラットフォームに柔軟に対応していくためと考えられます。

現行のNX-G7(CPU:CascadeLake世代)も同様です。

 

MINIMUM CONTROLLER VM MEMORY FOR CLUSTER FEATURES AND ADD-INS

https://portal.nutanix.com/#/page/docs/details?targetId=Advanced-Admin-AOS-v511:app-cvm-memory-config-feats-r.html

 

ここでは大容量のストレージ搭載モデルのような特例を除き、デフォルトサイズが20GBであるが記されています。

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上記を見る限り、一部ハードウェア構成によってCVMメモリサイズを変える必要がありそうです。

・ノードあたり80TB以上…32GB

・120TB以上もしくはNutanix Objectsを利用する場合…36GB

 

高度なストレージ機能の有効化におけるCVMメモリ要件

ここまではデフォルトのメモリサイズについて説明しましたが、Nutanixの高度なストレージ機能を有効化する場合、CVMのメモリサイズを増やすケースがあります。

例えば、RF3、キャッシュやキャパシティの重複排除機能を利用する場合はメモリサイズを加算する必要があります。

・Redundancy Factor 3…+8GB

・キャッシュ層の重複排除…+8GB

・キャッシュ層とキャパシティ層の重複排除…+12GB

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上図では、機能毎に追加するメモリサイズが記載されていますが、ポイントとしてはあくまでもメモリの上限は32GB。ということです。

例えば、「Redundancy Factor 3」と「キャッシュ層とキャパシティ層の重複排除」を有効化した場合でも、20+8+12=40GBではなく、32GBとなります。

 

AOSをアップグレードする度にメモリサイズアップ

CVMのメモリサイズを20GBで運用開始したとしても、AOSのアップグレードを行う際にメモリサイズの+4GB追加を求められます。

ドキュメントにも以下の記載がありますが、この要求はメモリサイズが32GBになるまでAOSアップグレードの度に求められるようです。

"If the AOS upgrade process detects that any node hypervisor host has total physical memory of 64 GB or greater, it automatically upgrades any Controller VM in that node with less than 32 GB memory by 4 GB. The Controller VM is upgraded to a maximum 32 GB."

 

最近のNutanix Sizer事情

Nutanixを見積もり使うNutanix Sizer(通称、Sizer)ですが、最近はSizerで見積もった場合のCVMメモリサイズも変わっています。

以下をご覧ください。

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最初からCVMのメモリ容量として0.03 or 0.04TiB(30GiB≒32GB or 40GiB≒43GB)が確保されています。(2019/12/22 修正 0.03TiBまたは0.04TiBのケースが見られます)

 

まとめ

・高度なストレージ機能を使う場合、最大32GBまで増やす。

・32GBになるまでAOSアップグレード毎に+4GBずつ増える。

・最初から43GB程度はCVM用に確保されている。

 

このことから、CVMのメモリサイズは、デフォルトなど気にせずに最初から32GBで運用するのが設計/運用の観点でシンプルだと思います。

余ったメモリがキャッシュとして使われれば、パフォーマンス向上にも繋がります。

逆に、後からメモリのサイズアップを求められるとそれだけの余剰リソースがあるのかを確認したりと手間が増えることが予想されます。

ということで、CVMのメモリサイズは32GBにしましょう!というお話でした。

 

以上です。

快適なNutanix Journeyを!